証券会社の口座開設と購入資金の入金が済んだら、いよいよ実際に株を購入してみましょう。
買い注文を出すには、口座を開設した証券会社の取引ページで、銘柄名・銘柄コードを入力して購入したい銘柄の注文画面を表示させます。
その画面上で、数量・価格・執行条件を入力して注文ボタンを押せば完了です。
注文内容は、執行前でしたら訂正・取消が可能ですが、一旦注文が執行されれば取消は出来ません。
注文ミスがないよう注文確認画面で注文内容を再確認するなど、落ち着いて行いましょう。
本記事で分かること
- 買うタイミングが大事
- 利益確定と損切りについて
- 注文には成行と指値がある
簡潔・明瞭をモットーに解説します。それでは本文へどうぞ!
買うタイミングを見極めよう
具体的な注文方法ですが、価格は成行か指値のいずれかを選択します。
指値は価格を指定する注文方法ですので、希望する価格がある場合には指値を選択して価格を入力しましょう。
執行条件では、注文の有効期間を選択します。
「当日中」は注文を出した日のみ有効で、引けまでに約定しなければ注文は失効します。「今週中」なら週末まで注文が有効となり、約定するまで最大5営業日継続が可能です。
他にも「寄付」「引け」「期日指定」など、期間は自分で好きなタイミングを選べます。
安く仕入れて高く売るのが市場原理と言うものです。株で利益を得るにはタイミングがとても重要で、相場の格言にも「株を買うより時を買え」とあります。
口座開設直後は、すぐにでも買いたくなるものですが、損をしないためにも買い時をしっかりと見極めて、焦らずじっくり行いましょう。
売るタイミングは難しい?
買った株を売るタイミングは、値上がりして利益を確定する時や、値下がりして損切りする時です。
株の売り時の見極めは、買い時以上にタイミングが難しいものです。株価は一定ではなく常に変動しています。
初心者が陥りやすい傾向として、値上がり局面では「もっと上がるだろう」と考え、値下がり局面では「いずれ戻るだろう」と安易に考えがちです。
例え値上がり局面で含み益が発生しても、売却するまでは利益は確定していないのです。
株は、安値で買って高値で売るのが理想ですが、中々そう上手くはいかないものです。思惑が外れ損切りが必要になる場面も少なくはないでしょう。
ですが、投資チャンスは1回限りではありません。
目先の株価に一喜一憂せず、達成目標や損切りラインを定めるのはもちろんのこと、欲張らず余裕を持った取引を心掛けましょう。
最初のうちは上手くいかなくても取引を繰り返すことで視野も広がり、タイミングを見極める目も育ってくることでしょう。
利益確定と損切り
利益確定(利確)とは、株価の上昇局面において発生した含み益を売却して確定させることをいいます。逆に損切りとは、含み損を解消して損失を確定させることです。
売ってはじめて利益となる
株に限らず全ての金融商品は、保有しているだけでは利益は確定しません。
買った銘柄が値上りすれば含み益が発生しますが、含み益=利益ではありません。利益確定とは、含み益が出ている状態を解消して利益を現実化することです。
投資経験が浅い内は、含み益が大きくなると気持ちまでも大きくなり、勝手な妄想を膨らませがちです。
取らぬ狸の皮算用では、計画的な資産運用など出来る由もありません。株は売るタイミングが最も難しいのです。
いくら将来性豊かで業績が好調な銘柄でも、世界金融危機のような巨大な波に飲まれては成す術はありません。
含み益はいつでも含み損へと変わる可能性を秘めています。
嬉しくて含み益を自慢している間に売り時を逸して損したなど、よくある話です。
相場の格言にも「利食い千人力」とあります。「利益を確定することは、千人の味方を得るのと同じくらい価値がある」と言うのを表した言葉です。
売った後、さらに一段高すれば「あの時売らなければ」と後悔もするでしょうが、所詮は結果論に過ぎません。
例え利益が小さくても、利益確定することで損失の危険を回避したのを褒めるべきです。
投資とは、利益を得る目的で資金を投じることで、株は売ってはじめて利益になるのです。
損切りは最大の防御
損切りとは、損失覚悟で保有する株を見切り売りすることで、含み損を確定する行為です。
投資する以上、誰もが損はしたくないものですが、100戦練磨の投資家など存在しません。
損切りせずに、株価が回復するまで待つのも負けない手段ですが、躊躇して必要以上の損失を被ったり、塩漬けで身動きが取れなくなるようでは勝つのは到底無理な話です。
株で勝つとは、資産を増やすことであって勝敗は関係ありません。
投資チャンスは1回きりではないのですから、予想が外れた場合には、損失を最小限に抑えることに重点を置き、素早く次の投資に生かすほうが効率的です。
誰もが損失額が大きいほど冷静さを失い、次の投資で損失を取り返そうと力が入るものです。
「損切りは早く、利食いは遅く」と言いますが、損失を最小限に抑えることが重要です。
人は負け癖がつくと大きく勝てる時でも冷静な判断が出来ず、不安心理から利益確定を急ぐ傾向にあります。
「利食いは早く、損切りは遅く」では、勝つのは容易ではないでしょう。
一度の損失が、さらなる損失を生む悪循環に陥らないためにも、損切りはリスクを回避するうえで最大の防御となるのです。
成行か?指値か?
株の注文方法には、成行注文と指値注文の2つの方法があります。
成行注文は、いくらでもいいから買いたい(売りたい)と、価格を指定しないで出す注文方法で、市場に売買できる注文があれば即約定するメリットがあります。
例えば、株価500円の株を1000株買いたい場合、市場に1000株の売り注文があれば取引成立です。
そのため、急いで取引を成立させたい場合には有効な注文方法です。但し、市場の注文状況次第で、予想より高く買うハメになる可能性もあるので注意が必要です。
取引が活況な銘柄であれば、現在値近辺に売買注文が交錯していますので、両者の均衡が急激に崩れない限り、「現在値500円の株を成行注文したら550円で約定した」なんてことも少ないでしょう。
ただ、取引量が極端に少ない銘柄になると話は違います。現在値500円に対し売り注文の最安値が550円であった場合、約定価格は当然550円です。
仮に売り注文がまったく無い状態で成行注文を出したとしたら、「特別買い気配」となって値幅制限いっぱいまで駆け上がることでしょう。
逆に指値注文であれば、買いたい価格を指定して出す注文方法ですので、予想以上の高値買いをする危険性がありません。
ただ上記例のように、売り注文と出した指値注文との差があればあるほど、取引が成立する可能性は低下します。
どちらが適しているかはケースバイケースですが、経験を積めば、「成行で素早く」「指値で待とう」など、状況に応じた使い分けも身についてくることでしょう。
基本的には指値注文
予想以上の高値買い(売り)を避ける意味でも、取引の基本は指値注文で行うのがベストな選択です。
指値注文の利点は価格を指定して出せることにありますので、成行注文と同じように素早い約定を望むなら、現在値に若干幅を持たせてみましょう。
指値注文は、「〇円以下なら買い」「×円以上なら売り」といった注文方法ですから、許容できる範囲で価格を指定すればいいのです。
指値注文より成行注文のほうが優先して約定されますが、取引量の少ない銘柄でない限り、さほど問題はないでしょう。
また、成行注文であれば特別気配にでもならない限り、「現値以下の買い・現値以上の売り」は出来ません。
指値注文なら現在値500円の銘柄に「450円まで下がったら買い」「550円まで上がったら売り」といった、待ち伏せした注文を入れることも可能です。
相場の状況によっては、成行注文より有利に売買できるのも指値注文の魅力です。
逆指値を活用しよう
逆指値とは、「指定した価格より高くなったら買い」「指定した価格より安くなったら売り」と言うように、通常の指値注文とは逆の条件を付けた注文方法です。
あらかじめ指定した価格に到達すれば自動で注文が執行されますので、日中忙しくて株価を見れない人や、売買判断に自身が持てない時などに効果を発揮します。
例えば1,000円で購入した銘柄があった場合、あらかじめ相場の急落に備え、900円に売り逆指値注文を出しておけば、確実に損失を限定することが出来ます。
損切りルールをしっかりと定めていても、損失を確定する行為は躊躇するものです。
逆指値注文の活用は、売買判断の遅れなどでズルズルと株価が値下がりした場合でも、必要以上に損失が拡大するリスクを抑え、塩漬け株の回避にも繋がります。
同じく1,000円で購入した銘柄が現在値1,200円の場合、更なる上値が望めそうだが相場の反転に備え、1,100円に売り逆指値注文を出しておくことで、値下がりした場合でも一定の利益を得ることが可能です。
また、ボックス圏で推移している銘柄が上値抵抗線を突き抜けて上昇するタイミング(上昇トレンド)を狙う場合にも逆指値は有効です。
株価を常にウォッチしていなくても、自動的に相場の変動を捉えた注文が出せるので、チャンスを逃さず効率的な取引が可能になります。
まとめ
いかがだったでしょうか?本記事は、株を買うときに注意するポイントについてまとめました。要約すると以下の通りです。
- 株の売買はタイミングが大事
- 含み益は利益ではない
- 損切りする勇気も必要
- 指値や逆指値を活用する
株に限らず、買い時、売り時の見極めは難しいものです。
よく「欲しいと思った時が買い時」などと言いますが、本当にそうなのでしょうか?
その人の投資スタイルによって、タイミングはそれぞれ違うのです。何のために買うのか冷静に考えてみましょう。
下の記事でも書きましたが、株価は需給のバランスで決定します。
なんとなく買う、なんとなく売るでは勝てる投資家にはなれないでしょう。
株は買ったら終わりではありません。その後どうするのか?そのためにはどうすればいいのか?先を考えることが大切です。
決して運任せなどではなく、常にストーリーを考えた取引を心掛けましょう。
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