ポジショントレードとは、数週間から数か月にわたって長期間ポジションを保有するトレード手法のことです。
中長期的な相場の流れに乗ることで、大きな値幅を獲得することが可能です。
ポジショントレードは、FXの手法ではマイナーな方ですが、中長期的な相場観を掴むことさえできれば、非常に大きな効果を発揮する手法でもあります。
ポジショントレードの特徴
まずはポジショントレードの特徴について、メリットやデメリットを見ながら解説していきます。
ポジショントレードのメリット
ポジショントレードのメリットは以下の通りです。エントリーから決済まで数週間~数か月の月日を必要とするので、トレードにかかる労力は圧倒的に少なくなります。
ポジショントレードのメリット
- トレードにかかる労力が圧倒的に少ない
- トレード1回あたりの利益が大きい
ポジショントレードのデメリット
ポジショントレードの大きなデメリットは、やはり相場の急変に巻き込まれることがあるという点です。
ポジショントレードでは長期間ポジションを保有し続けるため、地政学的なリスク(災害や紛争など)など相場の急変に巻き込まれ、大きな損失を出してしまう恐れがあります。
ポジショントレードのデメリット
- 相場の大変動に巻き込まれる可能性が高くなる
- トレード1回あたりの損失が大きい
ポジショントレードで押さえておきたいポイント
ポジショントレードで利益を出すためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
目標とする獲得pipsは500pips以上
ポジショントレードは中長期的なトレンドを狙っていく手法であるため、目標とする獲得pipsは非常に大きなものになります。
最低でも500pips程度のpips獲得を目標にしたいところです。
例えば、ユーロドルは2020年の4月から上昇に転じ、その後半年間で2000pips以上レートを上昇させています。
実際に2000pipsを獲得するのは、よほど相場の地合いが良くないと難しいですが、500pips程度であれば、たくさんのチャンスが転がっています。
もしもトレンドが発生していなくて、大きなpips獲得を見込めない場合、エントリーしないという選択を取るという判断も大切になってきます。
トレンドフォローを徹底
ポジショントレードはトレンドフォローが基本です。トレンド発生時や転換時ではなく、トレンドの方向がハッキリと決まってからエントリーすることで、精度が高まります。
ユーロドルのチャートで確認すると、1波目の上昇後、利益確定によって反落し、再度上昇するポイント(黄色〇)で押し目買いを行うようにエントリーするのが理想です。
金融緩和余地の差など、ファンダメンタルズな根拠もあるとなお精度の高いトレードが可能になります。
ローソク足は週足か月足メインで
長期的なトレンドを見極めるために、チャートは週足や月足をメインでチェックするようにしましょう。
短い時間軸のローソク足には、相場が進行していく中での短期的なノイズが含まれており、大きな流れが見にくくなります。
週足や月足を見て、中長期的な相場観を見極めることが大切です。
下のチャートはドル円の週足です。週足を表示させる場合、チャートによっても異なりますが、おおよそ半年程度の価格推移を確認することができます。
黄色で囲ったエリアがコロナショック時で、このとき為替レートが大きく変動していることが分かります。
また、コロナショックを境に、トレンドの方向が上昇から下落に転じていることも分かります。
ファンダメンタルズ分析を重視する
中長期的なトレンドを見極めるためには、ファンダメンタルズ分析が極めて重要になります。
主要各国の政策金利や長期金利、さらには各国の経済政策や景気状況までファンダメンタルズ分析は多岐にわたります。
このような情報から、相場の方向性を総合的に判断する必要があります。
もちろん、簡単なことではありませんが、情報収集を行いながら実戦を積んでいけば、相場観を養うことができるでしょう。
ストップロスを入れておく
ほかの手法でも同様、ポジショントレードでもストップロスを入れておくことが非常に重要になります。
損失が膨んだとき、ナンピンする手法もありますが、むやみに行うと損失をどんどん膨らましてしまうことになりかねません。
下のチャートは、ドル円の週足を拡大したものです。
ここで損切りの目安を決めるとしたら、中期の移動平均線(緑色の線)をローソク足が上抜けしたポイントが適切でしょう。
ちょうど黄色〇のエリアで、ローソク足が移動平均線を突き抜けたら損切りです。
黄色〇はテクニカル的な節目で、ここを抜けるとストップロス注文を巻き込んで上昇に転じる可能性が高くなります。
ここでの注意点は、損切りにおいてもファンダメンタルズの条件を重視するということです。
金利水準などに変化があったなど、ファンダメンタルズ的な根拠があると正確な損切りができるでしょう。
反対にファンダメンタルズ的な根拠が無ければ、損切りを行っても再びレートが戻っていき、
「損切りする必要が無かった」
ということになる可能性が高くなります。
繰り返しになりますが、ポジショントレードではファンダメンタルズ分析をしっかりと行うようにしましょう。