
FX取引の方法には、エントリーから決済まで数秒から数分で完了させるスキャルピングという手法があります。
スキャルピングは僅かな時間で取引が完結するため、時間に制約のある人にも人気のトレード手法です。
本記事では、スキャルピングとは何なのか、スキャルピングにはどんな特徴があるのかについて簡潔・明瞭に解説していきます。
スキャルピングの特徴
スキャルピングとは、数分単位で売買を繰り返す手法です。一度あたりの利益は小さくなりますが、何度も取引を重ねていけば、利益を積み重ねていくことができます。
また、一度あたりの損失は小さいので、きちんと損切りをすることでリスクを限定することが可能です。
スキャルピングのメリット
スキャルピングの特徴から考えられるメリットは以下の通りです。
- 資金効率が良い
- エントリーするポイントが多い
- 翌日にポジションを持ち越さなくてよい
- リスクをコントロールしやすい
- 取引を繰り返すことで、獲得pipsを大きくできる
スキャルピングのデメリット
反対にスキャルピングならではのデメリットもあります。
- スプレッドの負担が大きくなる
- 瞬時の判断が必要になる
- チャートを見続けたり注文したりで労力がかかる
- 値動きの予想が難しい
このような特徴について、ここからは少し詳しく解説していきます。
ほかの手法と比べてみよう
FXの取引手法はエントリーから決済までの時間によって、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードの4つに分けられます。
ほかの3つの取引手法とスキャルピングを比較することで、スキャルピングの特徴が分かりやすくなります。
トレードスタイル | 決済までの時間 | トレード回数 | 取引あたりの損益 |
スキャルピング | 数秒~数分 | 1日に10回~30回程度 | 5~20pips |
デイトレード | 数分~数時間 | 1日に1回~10回程度 | 10pips~100ppips |
スイングトレード | 数日~数週間 | 月に数回 | 50pips~300pips |
ポジショントレード | 数か月~数年 | 年に数回 | 300pips~2000pips |
ほかのトレードスタイルに比べると、スキャルピングは圧倒的に短期間で売買を繰り返すことが分かります。資金効率が良いというメリットがこの表からも分かってもらえるでしょう。
次に、中長期トレードで人気のスイングトレードと比較してみましょう。1か月でどちらの獲得pipsが多いのかということについて、検証してみます。
スキャルピングの場合
1回の取引で10pips獲得×1日に10回取引×20日=2000ppips
スイングトレードの場合
1回の取引で50pips獲得×1か月に4回取引=200pips
仮に勝率100%とすると、スキャルピングの方がスイングトレードよりも10倍獲得pipsが多いことになります。
実際のところ、勝率100%というのはあり得ないので、差はもう少し小さくなるかもしれません。
しかし潜在的に見て、いかにスキャルピングがたくさんのpipsを獲得できる手法なのか分かってもらえると思います。
なぜスキャルピングは獲得pipsが多くなるのか
次にチャートを見ながら、なぜスキャルピングで獲得pipsを多くできるのか考えてみましょう。
相場にはいくつもの波があります。長期的な波の中には中期的な波、さらに中期的な波の中には短期的な波が存在します。
例えば、ここ最近ドル円の中長期的なトレンドは明らかに下落です。
しかし、下のチャートからも分かるように、トレンドは一方向にではなく、波打つように進んでいることが分かります。
そして、スキャルピングで狙っていく波は、相場の中でもっとも小さい波です。
だからこそ、中長期的な波を利用するスイングトレードに比べると、潜在的に大きなpipsを獲得できる可能性があるというわけです。
1分足もしくは5分足で狙っていく
スキャルピングでは基本的に1分足で確認できる値幅を狙って売買を仕掛けていくことになります。長くても5分足まででしょう。
下のチャートは1分足のチャートですが、丸印で囲んだ場所が理想的な売買ポイントです。
高値でエントリーする場合は安値で決済、安値でエントリーする場合は高値で決済です。
このように、1分足で現れるような小さな波を利用して、利益を積み重ねていくことができれば、スキャルピング取引を成功させることができるでしょう。
スキャルピングを行うときの注意点
最後に、スキャルピングでトレードを行う際の注意点を解説していきます。
スプレッドの狭いFX業者を利用する
ここまで紹介したように、スキャルピングは一日のうちに取引を何度も繰り返す手法です。そのため、取引を行うたびに手数料を負担しなければなりません。
スプレッドの狭い業者を利用することは、スキャルピングを成功させる上で必要不可欠なことです。
テクニカルを過信しない
最初のデメリットでも紹介したように、スキャルピングは値動きの予想が難しい手法です。
1分足でテクニカル指標を利用し、シグナルが出現しても、ダマシが発生する可能性が高くなります。
テクニカルを過信すること無く、ファンダメンタルズ分析も取り入れながらトレードを行う必要があるでしょう。
アラート機能や指値注文を使おう
スキャルピングは労力のかかる手法です。特に常にチャートを見続けることは、大変な労力を要します。
心身への負担を減らすためには、アラート機能を上手く利用すると良いでしょう。
売買を考えているレートに設定しておけば、チャートを見続けなくても希望のレートで売買することができます。