FXのスイングトレードは、値動きのスイング(上下)を狙って大きな値幅を狙っていくトレード手法です。
ポジションの保有時間にとらわれることなく値幅を狙っていくため、売買期間は数日~数週間になることがほとんどです。
本記事ではスイングトレードの特徴や実戦での使い方について紹介していきます。
スイングトレードの特徴は?
まずはスイングトレードのメリットとデメリットをチェックして、スイングトレードにはどのような特徴があるのかを解説していきます。
スイングトレードのメリット
短期売買にないスイングトレードのメリットは、何といってもトレードにかける労力が少なくて済むということです。
一度に狙える利益も大きいため、ここぞというときにエントリーを行えば、労力をかけることなく値幅を獲得できるでしょう。
スイングトレードのメリット
- 短期売買に比べると取引にかかる労力が少ない
- 一度に狙える利益が大きい
- ファンダメンタルズ分析がハマりやすい
スイングトレードのデメリット
トレード一度あたりの利益が大きいということは、トレード一度あたりの損失も大きくなることを意味します。
また、ポジションを週末に持ち越す場合、土曜日や日曜日に為替相場に影響を与えることが起こると、為替レートに大きな影響を及ぼすことがあります。
スイングトレードのデメリット
- 取引一度あたりの損失が大きくなる
- スワップポイントの支払いが発生する
- 週末のリスクがある
スイングトレードで勝つためには
ここからはスイングトレードで勝つため、押さえておきたいポイントを紹介していきます。
数日にわたってポジションを持つスイングトレードならではのコツがあります。
ファンダメンタルズ分析を重視する
中長期的な相場は、短期的な相場に比べると、ファンダメンタルズ面に左右されやすい傾向があります。
テクニカル分析も行いながら、ファンダメンタルズ分析も同時にしっかりと行っていく必要があるでしょう。
ファンダメンタルズ分析では、以下のことが大事になります。
- 主要各国の金融政策
- 株式市場のリスクオン・オフ
- 経済指標の結果
- 地政学的リスク
金融政策とは、中央銀行による政策金利の設定などによって、金融緩和や金融引き締めを行うことを言います。一般的は金利の高い通貨が買われ、金利の低い通貨が売られる傾向にあります。
また株式市場のリスクオン・オフも重要な要素です。ここ数年は株式市場が強気だとドル円やクロス円レートは上昇する傾向にあります。
このことをチャートで確認してみましょう。
下のチャートは2020年4月~8月のユーロ円日足です。途中から明確な上昇トレンドが発生していますが、この上昇はコロナショックが落ち着いた後の株式市場の上昇と時期が同じです。
ユーロ円と同じ時期の日経平均株価のチャートを下に表示させてみます。
もちろん、全く同じではありませんが、ユーロ円と同じように上昇トレンドが形成されていることが確認できます。
前述したように、スイングトレードではファンダメンタルズ分析が欠かせません。値動きが発生したとき、その理由まで分析すると相場の予測が行いやすくなるでしょう。
レバレッジは抑え目に
スイングトレードでは、取引一度あたりの損失や利益が大きくなります。
そのため、レバレッジを張りすぎると、一度のトレードで強制ロスカットや資金が枯渇してしまう可能性が出てきます。
ストップロスを入れるレートも、短期売買に比べると広く取ることになるので、レバレッジはなるべく控え目にしておきましょう。
FXの場から退場しないように、ストップロスと適切なレバレッジ、セットで設定を考えることが大切です。
マイナー通貨はトレードしないようにする
南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなど、マイナー通貨はちょっとした経済指標の発表やニュースでボラティリティが大きくなるため、トレードしてみたいという気持ちが生まれるかも知れません。
しかし、数日間~数週間、ポジションを持ち続けるスイングトレードでマイナー通貨を持ち続けることは危険なことです。
マイナー通貨は流動性が低いため、ドル円などメジャーな通貨ペアに比べると、フラッシュクラッシュと呼ばれる相場の急変が発生する可能性が高くなります。
スイングトレードでは、ドル円、ユーロドル、ユーロ円など、流動性が高く値動きが安定している通貨ペアを選ぶようにしましょう。
スワップに注意
デメリットでも紹介しましたが、スイングトレードでは、スワップの支払いが発生してきます。
例えばGMOクリック証券の場合、ドル円のショートポジションを1万通貨保有すると、一日で24円の支払いが発生します。
さらにユーロドルの場合、ロングポジションを保有すると、72円の支払いが発生します。
もちろん、スワップを受け取ることも可能ですが、エントリーしたポジションが必ずしもプラスのスワップになるとは限りません。
さらにほとんどのFX業者は、スワップの支払い金額をスワップの受取金額よりも大きく設定しています。
特に海外FX業者はこの特徴が顕著で、ロング、ショート、どちらもスワップの支払いをしなければならない通貨ペアも多々あります。
スイングトレードを行うのであれば、投資家に対して極端に不利なスワップを提供しているFX業者は使用しないようにしましょう。