株入門

株で儲けるには信じること!~銘柄選びのポイントを知ろう

銘柄を選ぶ基準ってあるんですか?
ふみ

株は証券会社に口座を開設して入金が済めば、誰でも好きな時に好きな銘柄を買うことができます。

多くの人は値上がり益を期待して株を買うでしょうから、当然株価の上がる銘柄を選ばなければいけません。

なんとなくで買って、儲かるほど株の世界は甘くないのです。

では、その銘柄はどのような基準で選べばいいのでしょうか?本記事は、そんな選ぶポイントについて解説しています。

答えはひとつではありませんが、銘柄選びの参考にして頂ければ幸いです。

本記事で分かること

  • 銘柄選びは信じること
  • 株価が上がる根拠を探る
  • 具体的な分析方法について
  • リスクを分散するのも大切
さんしろう
要は何を根拠に選ぶのかが重要だよ!

 

簡潔・明瞭をモットーに解説していきます。それでは、本文へどうぞ!

銘柄を選ぶポイントとは?

銘柄を選ぶポイントは人それぞれ違いますが、基本は安く買うことにあります。

安さを数値から探る方法として「バリュー投資」「グロース投資」の2つの投資手法を活用すると良いでしょう。

バリュー投資とは、株価が本来持つ企業価値より低く評価されてる銘柄に対して行う投資手法のことです。

また、グロース投資は、株価は割高だが今後も成長が期待できる銘柄に対して行う投資手法のことを言います。

ですが、銘柄選びの基準は投資スタンスによっても異なります。

短期売買では単に値動きのいい銘柄、思惑絡みの銘柄に人気が集中する傾向にあり、株価の行方は需要と供給のバランスによって構成されます。

結果として、割安感や成長性より人気の高い銘柄に投資しなければ、儲けに繋がらない場合もあります。

「結局何を基準に選べばいいの?」と思われるかもしれませんが、結論を言えば銘柄選びに正解はありません。

信じる者と書いて「儲かる」と読みます。

投資スタンスに合わせ、何を基準に銘柄を選択したとしても、周りの意見に左右されることなく自分を信じることが銘柄選びには大切なのです。

情報収集と分析を怠るな

何を基準に銘柄を選択する場合でも怠っていけないのが、情報収集と分析です。

投資する銘柄の企業業績や将来性はもちろんのこと、話題性や人気などもチェックするように心掛けましょう。

株で儲けるには、安く買って高く売るが基本となりますので、決算短信・会社四季報・IR・出来高・経済ニュースなどにも目を配らせる努力は必要です。

外的要因も考慮すれば、アナリストや要人の発言も参考になるでしょう。

ことわざに「風が吹けば桶屋が儲かる」とあります。海外市況や経済情勢などを勘案したマーケットの予測は、相場のトレンドを掴むのに役立ちます。

相場の動向は時事問題などにも左右されます。サブプライム・ローン問題に端を発した、リーマン・ショックは永らく世界経済に大きな影響を与えました。

国内で見ても、ITバブル崩壊・アスベスト騒動・耐震偽装などが、株価に影響を与えています。

底の見えない負の連鎖は投資意欲を減退させ株価の下落を引き起こしますが、実態と剥離した市場の評価は逆にチャンスにも変わります。

暴落過程において、冷静に的確な判断をするのは難しいでしょう。

ですが、如何なる場合においても情報収集と分析さえしっかり出来ていれば、状況に応じた最適な選択が出来るようになるのです。

割安株(バリュー株)とは?

割安株(バリュー株)とは、企業の本質的な価値より市場の評価(株価)が低い株のことを言います。

この株価の割安度に着目して投資する方法を、バリュー投資(割安株投資)と言います。

一般的には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の低い銘柄、配当利回りの高い銘柄などが選ぶポイントになります。

一言でバリュー投資と言っても、企業の本質的価値を何処から導き出すかによって、「資産バリュー」「収益バリュー」の2タイプに分けられます。

資産バリューは会社の資産価値に対して割安な株のことで、測定には清算価値(流動資産-総負債)が使われるのが一般的です。

また、収益バリューは事業の収益力に対して割安な株のことで、測定方法には収益資産の価値を評価するDCF法などが使われます。

資産バリューと収益バリューの違いは、現在の価値のみで評価するのか、将来の成長を加味するかであり、どちらを使うかは人それぞれです。

両タイプとも、価値に対して割安な株を買うバリュー投資(割安株投資)という点においては違いはありません。

偉大なるバリュー投資家

バリュー投資で最も成功した投資家と言えば、毎年世界長者番付に名を連ねるウォーレン・バフェット氏(1930~)です。

そんな彼に、多大なる影響を与えた人物が過去にいました。

当時コロンビア大学のビジネススクールで教鞭をとっていた、バリュー投資生みの親であるベンジャミン・グレアム(1894~1976)です。

グレアムが考案したバリュー投資理論は後世の多くの投資家に影響を与え、彼の理論は今日でも色褪せることはなく受け継がれています。

中でも「賢明なる投資家(1949年刊)」「証券分析(1934年刊)」などの著書は、投資理論書のバイブルとなっています。

後にバフェット氏は「賢明なる投資家」改訂版4版に、序文を寄せています。

「私がこの本の初版を読んだのは1950年の初め、19歳の時でした。そのとき、それまでに読んだ投資関連のすべての本の中で、最高の一冊だと思いました。そしてその思いは今も変わっていません。」

~ 中略 ~

「私にとってベン・グレアムは、著述家や師をはるかに超越した存在でした。彼は父親を除くすべての人々のうち、私の人生に最大の影響を与えた人物です」

成長株(グロース株)とは?

成長株(グロース株)とは、読んで字の如く成長性の高い株のことで、企業の利益成長に着目して投資する方法をグロース投資(成長株投資)と言います。

グロース投資は割安度を重視するバリュー投資と違い、市場平均と比べ割高であっても、高い利益成長が永続すればEPS(1株当たり利益)は増加し、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの割高感は解消するはずと言う考え方に基づいています。

一般的に成長性を見るには、売上高成長率、経常利益成長率、当期利益成長率などの指標から判断します。

高成長銘柄には既に高い株価がついてしまっていることも多く、指標だけを基に判断するのは危険を伴います。

高成長と言う大前提やモメンタム(勢い)が崩れた場合には、相場の流れが変わって一気に暴落に繋がる可能性もあります。

グロース投資をする場合は、成長率と言う指標だけに捉われるのでなく、事業の将来性に重点を置いて総合的に判断することが大切です。

過去には、流行と共に大成長を遂げた銘柄が誕生しています。インターネットの普及と共に急成長したヤフー(現社名:Zホールディングス)は典型的な例です。

PER(株価収益率)も公開当時から200倍を超え、ITバブル全盛期には約3,000倍となる異常人気ぶりでした。

2020年12月末の株価と比較すると、店頭公開時の初値から持ち続けていれば200万円が5億1150万円となり、資産は255.75倍になった計算です。

グロース投資で成功した人物

グロース投資で最も成功した人物を挙げるとすれば、全米No.1ファンドマネージャーと称されるピーター・リンチ氏(1944~)でしょう。

1969年、米投資信託フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ社に証券アナリストとして入社したリンチ氏は、1977年からマゼラン・ファンドの運用を担当。

1990年までの13年間で25倍のパフォーマンスを実現し、資産に至っては2000万ドルから140億ドルの世界最大規模に育て上げた伝説のファンドマネージャーです。

日常生活など身近なところにヒントを得て、多くの10倍株(テンバガー)を発掘したリンチ氏の投資手法は、成長が見込まれる企業への長期投資を基本とし、短期的な株価の上下は気にしませんでした。

徹底した企業調査を行い、ファンダメンタルが良いのに単に株価が下がったからと機械的にストップロスするのを嫌いました。

彼は、「長期にわたっては企業の成功と株価の上昇には密接な関係があり、成功している企業を辛抱強く持ち続けることが、必ずよい結果に結びつく」と述べています。

但し、損切りはリスク管理の観点からも重要です。長期的成長と言う前提が崩れた場合には、損切りは必要だと覚えておきましょう。

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、株価チャートなどを基に過去のデータ(価格・出来高・時間)から、将来の方向性を分析・予測する手法を言います。

テクニカル分析には様々な手法がありますが、大別するとトレンド系、オシレーター系の2つに分類されます。

トレンド系テクニカル分析は、相場の大きな流れを分析する方法を言います。

上昇トレンド、下降トレンドと言った中長期での相場の方向性を予測するのに使われます。

トレンド系の代表的な指標には、ローソク足、移動平均線、ボリンジャー・バンド等があります。

株価が値上りしているときに買い、値下がりしているときに売る、相場のトレンドに沿った投資法である、順張り(トレンド・フォロー)に向いています。

一方、オシレーター系テクニカル分析は、価格の振れ(オシレーター)から相場の強弱を分析する方法です。

売られ過ぎ、買われ過ぎと言った過熱度を見て、相場の短期的な動きを予測するのに使われます。

オシレーター系の代表的な指標には、ストキャスティクス、RSI、MACD等があります。

値上りしているときに売り、値下がりしているときに買う、相場のトレンドに逆らった投資法である、逆張り(カウンタートレード)に向いています。

売買のタイミングを計るのに効果を発揮すると言われるテクニカル分析ですが、それぞれのテクニカル分析手法には一長一短があり、決して万能なものはありません。

トレンド系指標で相場のトレンドを読み、オシレーター系指標で売買のタイミングを計るなど、総合的に判断することが大切です。

テクニカル分析の成功者

テクニカル分析で成功した人物と言えば、20世紀前半に活躍した伝説のトレーダーである、ウィリアム・D・ギャン(1878~1955)の名が挙がるでしょう。

晩年に彼がまとめた相場理論はギャン理論と呼ばれ、著作「商品で儲ける方法」に記述された「価値ある28のルール」は現在でも通用するルールとして語り継がれています。

後に暗黒の木曜日(Black Thursday)と呼ばれる1929年のニューヨーク株大暴落を予言し、1955年に77歳で生涯を終えるまで破産する事なく勝ち続け、5000万ドルの遺産を残したと言われています。

時代背景があったとは言え、テクニカル分析だけで勝ち続けるのは容易ではありません。

現在の最高のテクニカル・トレーダーと称されるラリー・ウィリアムズ氏(1942~)でさえ、ファンダメンタルで条件が整うのを待ってからテクニカル分析を行っています。

ファンダメンタル分析とは?

景気・経済情勢などのマクロ面、企業業績・財務状況などのミクロ面を考慮して、株価が割高なのか割安なのかを判断・分析する手法を、ファンダメンタル分析と言います。

企業の割安度や成長性を判断するファンダメンタル分析は、市場の評価と企業の本質的価値に差があっても、いずれは本質的価値が株価に反映されるという考えに基づいています。

マクロ面は新聞・ニュース等、ミクロ面は財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)、会社四季報等から判断します。

株式投資のファンダメンタル分析では、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)などの指標を用いて分析・判断するのが基本となります。

PERは、現在の株価が1株当たり利益(EPS)の何倍なのかを見るもので、PERが低いほど株価は割安と判断できます。

PBRは、一株当たり純資産(BPS)に対して株価が何倍まで買われているのかを示すもので、1倍に近づくほど企業の解散価値に等しく割安と判断できます。

そしてROEは、自己資本に対する当期純利益の割合を示したもので、ROEが高いほど効率よく経営されてると判断できます。

もちろん、これら指標が示す数値がファンダメンタル分析の全てではなく、マクロ、ミクロ両面のファンダメンタルズを総合的に判断することが大切です。

ファンダメンタル分析の成功者

ファンダメンタル分析で最も成功を収めた人物と言えば、ウォーレン・バフェット氏(1930~)です。

パフェット氏の資産は、米経済誌フォーブスが毎年発表している「世界長者番付2020」によると、推定資産754億ドルで世界第4位となっています。

パフェット氏は、バリュー投資にグロース投資の考え方を取り入れ、投資基準に「事業の内容を理解できる」「長期的に業績見通しが良い」「経営者が有能である」「魅力的な価格である」という4つを挙げています。

以下の彼の言葉は、買うのは株ではなく企業だと改めて教えてくれる、株式投資の本質を突いた名言と言えるでしょう。

「Only buy something that you'd be perfectly happy to hold if the market shut down for 10 years.」

(市場が10年間閉ざされても、持っていて幸福だと感じる株を買いなさい)

リスク回避の分散投資

「Don't keep all your eggs in one basket.(全ての卵を一つのカゴに盛るな)」と言う格言があります。

分散投資とは、投資金額を分散していくつかのものに投資する手法です。

一つのものに集中投資すると何らかの要因で急落した場合に、投資資金が大幅に減少してしまうリスクを軽減するために行います。

分散投資では、一つのカゴの見方を変えることで、銘柄の分散、時間の分散、資産の分散の3つに分けられます。

銘柄の分散は、一つの銘柄に集中せず複数の銘柄に分けて投資することで、一つの銘柄が急落してもトータルで利益を得る可能性が広がります。

時間の分散は、売買するタイミングを分散することで、急落過程においてもその後回復が見込めればナンピンすることで平均買付コストを下げることが出来ます。

資産の分散は、国内株式だけではなく外国株式を組み入れたり、株式だけでなく債券や原油・金などに資産を分散することで全体的な価格変動リスクの軽減を図ります。

分散投資では相関係数と言う指標が良く使われます。異なる値動きをするものに分けて投資することで、値動きのブレをなくしリスクの低減を図るのが分散投資の基本的な考え方です。

よって、リスクが少ない代わりにリターンも少ないと言うデメリットもあります。

短期的に見ればリーマン・ショックのような異常相場では効果も薄れますが、長期投資であれば、リスク低減の有効な手段であることに間違いありません。

バフェットは分散投資を否定?

株で歴史上最も成功した人物であるウォーレン・バフェット氏は、著書の中で以下のように述べています。

「分散とは無知に対するリスク回避だ。勝手知ったる者にとって、分散の手法はほとんど意味がない」

少数の銘柄への集中投資を基本とした彼の投資会社バークシャー・ハサウェイのポートフォリオを見てみると、1999年には僅か8銘柄への投資で上位3社が87%ものウェイトを占めていました。

しかし、2020年8月末では保有銘柄は49銘柄に増えています。

株式市場の変化で1999年以降投資活動が減ったと言われるバフェット氏ですが、最近では債権や金などにも投資しています。

2020年8月には日本の5大商社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)にも投資して話題になりました。

分散投資そのものを否定してる訳ではなく、彼の言葉の真意は「なぜ分散投資が必要なのか?」にあります。

揺ぎない信念に基づくバフェット氏の投資行動は、リスク低減が目的ではなく収益拡大のチャンスに過ぎない事が大きな違いを生むのでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

本記事は、銘柄選びの基本となる投資手法や、分析方法についてまとめました。要約すると以下の通りです。

  • 株は安く仕入れて高く売るが基本
  • 安さを探るのに「成長株」「割安株」2つの考えがある
  • チャートを使ったテクニカル分析で相場のトレンドに乗る
  • 経済指標を用いたファンダメンタル分析で割安株を探す
  • 異なる市場、業種などでリスクを分散するのも大事

儲かる投資家になるには、銘柄選びは非常に重要です。

銘柄選びは実際に株を購入する前に行う前準備のようなものですが、株で儲けるには順序があるのです。焦らずじっくりと時間をかけるべきでしょう。

以下の記事で説明していますが、購入するタイミングも大切な要素の一つです。しっかりと安さの根拠のある株を、適切なタイミングで買うようにしましょう。

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さんしろう

投資歴20年の50オヤジ。過去に複数サイトの運営経験あり。 現在サラリーマン生活を送りながら隠居生活へ向かって奮闘中!

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