家の近所なんで今から買ってきますね!
ここで質問です。株はどこで売買しているのでしょうか?。
もちろん、企業に直接出向いても買えるわけではありません。その会社の株を買いたい人は、株を売りたい人から買うしかないのです。
では、その株の売買は何処で行われているのでしょうか?
証券取引所は、あらゆる売買情報を提供する場所ですので、実際に売買するためには証券会社を通す必要があるのです。
ですが、証券会社が多様な売買注文を迅速に履行できるのは証券取引所があるからです。
そもそも私たちは証券取引所が存在しなければ公正な株取引を行うことが出来ないのです。
近年では証券会社がPTS(私設取引所)と呼ばれる自前の取引市場を展開してるので、規模は小さいが証券取引所を通さなくても株を買うことはできる。
本記事では、株取引に出てくる初心者に知ってもらいたい知識についてまとめています。どれも良く耳にする言葉ですが、もちろん内容を知らなくても株取引には影響しません。
ですが、知ればより株に興味が湧くのではないでしょうか?
本記事の内容
- 証券取引所について
- 日経平均株価とは?
- ほふりって何?
簡潔・明瞭をモットーに上記の3つについて解説していますが、中でも今回一番に覚えてもらいたいのが証券取引所についてです。
株取引を始める前に、ぜひ覚えて欲しい内容ですので最後までご覧いただければ幸いです。
それでは、本文へどうぞ!
証券取引所の役割
投資家が株を買いたい場合は、口座のある証券会社に買い注文を出すわけですが、注文を受けた証券会社は直接売ってくれるわけではありません。
証券取引所は株式や債券を取引する集合場所であり、参加資格があるのは取引所会員である証券会社のみとなっています。
主な役割は、取引所に需要を集中させる事で流動性の向上と安定した価格形成を図る事にあり、売り手と買い手を結び付ける公正な場を提供しています。
投資家が株式を購入する際は、証券会社を仲介した委託売買となり、証券会社は証券取引所に投資家から受けた売買注文を伝えます。
伝えられた売買注文は、同じく証券会社を通じ他の投資家から寄せられた条件に符合する売買注文と結び付け、競争売買の原則に基づいて執行されるのです。
証券取引所にはもう一つ役割がある
また、証券取引所は株式や債権の売買取引の場を提供する以外に、自主規制機関として、以下の市場の公正性・信頼性を高める役割も担っています。
自主規制機関としての役割
上場する会社の審査
株式の売買が公正に行われているかの売買審査
法律違反を犯した取引所会員(証券会社)に対する処分
証券取引所の歴史
証券取引所の歴史は古く、1602年設立のアムステルダム証券取引所が世界最初の常設取引所と言われています。
世界3大証券取引所を例に見ると、1801年にロンドン証券取引所、1817年にニューヨーク証券取引所、日本でも1878年に東京証券取引所の前身である東京株式取引所が設立されています。
今でこそ世界最大の証券取引所はニューヨーク証券取引所ですが、17世紀における金融の中心地はアムステルダム証券取引所のあるオランダでした。
その後、イギリスが派遣を握ると金融の中心地はロンドンへとシフトします。
ルーツにはストーリーがある
イギリスでは17世紀後半になると、上場会社の増加に伴い株式の取引も活発になります。
そこで、ロンドンのコーヒーショップが売買の仲介業者の溜り場となり、情報交換や取引が行われるようになったのがロンドン証券取引所の始まりです。
この仲介業者が現在の証券会社、コーヒーショップが証券取引所というわけです。
因みに、ジョナサンズ・コーヒーハウスが一度火事で焼け、再建された後に名称を「証券取引所」に変更。それが、現在のロンドン証券取引所です。
証券取引所の種類
わが国の証券取引所は、東京証券取引所(東証)・名古屋証券取引所(名証)・福岡証券取引所(福証)・札幌証券取引所(札証)の4か所があります。
過去に、大阪証券取引所(大証)やジャスダック証券取引所がありましたが、ジャスダック証券所は2008年に大証と経営統合、その大証も2013年に東証と経営統合しています。
日本の上場企業数(2020年12月末)は3,862社となっています。
東証だけで3,755社もあり、近年は、東証以外の証券取引所では上場を取りやめる企業が増加傾向にあります。
世界3大証券取引所の1つである東京証券取引所は、上場企業数97%、株式売買高は99%以上のシェアを占めるほど一極集中も顕著です。
また、各証券取引所には上場基準が異なる市場が複数あり、企業の規模・特質に合わせて分類されております。
東京証券取引所
上場企業数は3,755社で、第一部、第二部、マザーズ、JASDQの4市場がある。
名古屋証券取引所
上場企業数は288社(単独上場66社)で、市場は、第一部、第二部、セントレックスの3市場がある。
福岡証券取引所
上場企業数は109社(単独上場25社)で、市場は、本則市場、Q-Boradの2市場がある。
札幌証券取引所
上場企業数は58社(単独上場16社)で、市場は、本則市場、アンビシャスの2市場がある。
上場企業数は2020年12月末現在
証券取引所の取引時間
取引時間は証券取引所によって異なり、東京証券取引所(東証)の場合、取引ができる時間帯は平日の午前9:00~11:30までと、午後12:30~15:00までとなっています。
午前中の取引(9:00~11:30)を前場(ぜんば)、午後の取引(12:30から15:00)を後場(ごば)と呼び、土日祝日と年末年始は休業日となりますので取引が出来ません。
年末年始は12月31日~1月3日までが休業日
東京証券取引所
前場:午前9:00~11:30・後場:午後12:30~15:00
名古屋・福岡・札幌証券取引所
前場:午前9:00~11:30・後場:午後12:30~15:30
日経平均株価とは?
日経平均株価とは、日本の株式市場を代表する株価指数で、東証1部に上場する約2,200銘柄の中から流動性の高い225銘柄を選定し、その株価を平均したものです。
算出方法は適時見直されますが、現在は構成銘柄の株価をみなし額面換算したうえで合計し、除数で割って算出されています。
みなし額面換算とは1株の額面を50円として計算すること
名称から分るとおり、日経平均株価は日本経済新聞社が算出・公表をしており、1970年に東京証券取引所が算出を中止したのに伴い、日経グループが算出・公表を引き継ぎました。
当初の名称は東京証券取引所が1950年に公表開始した「修正平均株価」で、1975年にダウ・ジョーンズ社と提携し「日経ダウ平均株価」と変更。
その後1985年5月1日から現在の名称である「日経平均株価」となり、現在に至ります。
歴史を刻んだ株価指数
日経平均株価は、戦後、東京証券取引所が再開された1949年5月16日の単純平均株価「176円21銭」を基準とし、今では70年以上の株式市場の歴史を刻んだ株価指数です。
スターリン・ショック、ニクソン・ショック、ブラックマンデー等の大暴落を経験しながらも、日本経済の成長と共に上昇。
バブル絶頂期の1989年12月29日には終値の最高値である3万8915円を記録します。
その後に襲ったバブル崩壊は、日本経済に深刻な打撃を与え、1973年より約18年間続いた安定成長期も終焉を迎えます。
2003年4月にバブル崩壊後の最安値である7607円を記録。
2007年2月には1万8300円台を回復するに至りましたが、翌2008年10月にはサブプライムローン問題に端を発した世界金融恐慌の影響で、バブル崩壊後の最安値を再び更新(終値:7162円90銭)しました。
その後永らく低迷時期が続きましたが、第二次安倍内閣が掲げた経済政策(アベノミクス)を機に上昇に転じ、現在に至ります。
株価は経済を写す鏡と言いますが、日経平均株価は世界中で起きた様々な経済事象を反映しており、過去の動きから経済と株式市場の歩みを知る事が出来る、まさしく歴史を刻んだ株価指数と言えるでしょう。
ほふりとは何だろう?
ほふりとは、保管振替制度の運営を行う(株)証券保管振替機構の通称で、株券等有価証券の保管・受渡しの効率化・合理化を目的に設立された「株券等の保管及び振替に関する法律」に基づく我が国唯一の保管振替機関です。
また、(株)証券保管振替機構と保管振替制度は同義語として扱われる事も多く、実質的な意味合いは異なりますが、一般的には両者とも「ほふり」と呼ばれています。
保管振替制度は、証券会社が投資家の同意を得て預かる株券を証券保管振替機構に預託する事により、その後の売買において株券の受渡しをする事なく、証券保管振替機構と証券会社の口座間の振替によって処理する仕組みです。
ですので、投資家は名義を書き換える事なく株主としての権利を行使する事ができます。
ほふりを利用するには
ほふりを利用するには、実質株主報告に関する届出書を提出する必要がありますが、特に面倒な手続きはありません。
通常は口座開設申込書に「貴社に預託する株券等を(株)証券保管振替機構に預託し、株券については実質株主報告することに同意します」と一文が盛り込まれています。
「口座開設申込書」が「実質株主報告に関する届出書」も兼ねていますので、口座開設と同時にほふりを利用する事ができます。
実質株主報告に関する届出書を提出する事で、形式的に株主名簿上は証券保管振替機構の名義となります。
証券会社が証券保管振替機構へ実質株主報告を行い、証券保管振替機構が発行会社に実質株主の通知をする事で、発行会社の実質株主名簿に自動的に記載され、配当金の受け取りなど株主としての権利は確保されます。
まとめ
本記事では、証券取引所の役割、日経平均株価について、ほふり(証券保管振替機構)について解説しました。要約すると以下の通りです。
- 証券取引所の主な役割は、売買情報と場所の提供
- 日経平均株とは、東証1部上場225銘柄の平均値
- ほふりとは、電子的に株主の権利を保管する場所
何度も言いますが、今回解説した内容を知らなくても株取引に差し支えありません。
ですが、RPGと一緒でLV1の装備も何もない人にいきなり魔王が倒せるでしょうか?
株は投資であり、投機(ギャンブル)ではありません。ビギナーズラックもあるでしょうが、目標達成まで株生活は永く続くのです。しっかりと準備していきましょう。
本記事が、あなたの思い描く明るい未来のための一助になれば幸いです。