みなさんはデイトレードという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
近年は稼の資産を築くデイトレーダーの出現で、メディアで特集される機会もあり、御存じの方も多いと思います。
デイトレード自体は特別な取引手法ではありません。
誰でもデイトレーダーになることができます。ですが、誰もが稼げるデイトレーダーになれる訳でもありません。
稼げる人と稼げない人の違いは何なのか?
本記事は、そんな稼げるデイトレーダーになるための心構えについて解説します。
もちろん記事を読んだだけでは稼げるデイトレーダーにはなれません。何事も取り組み姿勢が大事なのです。
それでは本文へどうぞ!
デイトレードとは何だろう
デイトレードとは、その日のうちに売買を完了して翌日にポジションを持ち越さない取引手法のことで、日計り商いとも呼ばれます。
デイトレードの基本は、日に複数回の取引を行って利益を重ねることにあります。
今では、継続的に取引を行うデイトレーダーの増加などで、一般的に認知される取引手法です。
ですが、以前は証券ディーラーなど一部でしか使われない手法で、個人投資家が行うには手数料の高さと差金決済の存在がネックでした。
デイトレード普及の引き金となったのは、1996年に第2次橋本内閣が提唱した「金融ビッグバン」と呼ばれる金融制度改革にあります。
1998年の証券取引法改正では、証券業の免許制が登録制に移行したのに伴い、多くのネット証券の参入が認められました。
株式委託手数料の完全自由化による格安手数料の実現、銘柄を変えることで同一資金での売買を可能にするループトレード(乗換売買)の導入など、環境が整ったことが要因です。
ループトレードとは
デ イトレードの基本は、翌日に銘柄を持ち越さず1日に複数回の取引を行い利益を追求することです。
そもそも1日に複数回も取引を行うことが、何故可能なのでしょうか?
日本の証券市場は差金決済※1を禁止しており、同一銘柄、同一資金での回転売買は出来ません。
しかし、乗換売買※2といって現物取引においては、異なる銘柄であれば同一資金での売買が可能になります。A銘柄からB銘柄、B銘柄からC銘柄と、連続して何回でも取引が行えるのです。
※1 現物の受け渡しをせずに、反対売買による差額の授受で決済を行うこと
※2 現物取引で同一受渡し日に同一資金で、別銘柄への乗換えを可能とする取引
デイトレードの魅力
デイトレードの魅力は、何と言っても資金効率の良さにあります。
1回の取引で大きな利益を狙うことは難しいですが、小さい利益でも取引回数を重ね資金を回転させることで複利効果が生まれます。
翌日にポジションを持ち越さないことで、取引時間外の悪材料(企業業績の悪化・社会情勢の変化・海外市況の影響)にも左右されず、リスクを回避することが出来るのも魅力のひとつです。
また、塩漬け状態による投資機会の損失もありません。
デイトレードをするうえで大切なのは、売買のタイミングを逃がさない集中力と、瞬時に判断して行動する決断力です。
株価が意図しない方向へ動いた場合には、素早い損切りも必要です。冷静さを欠けば状況に応じた判断も鈍ってしまいます。
冷静な判断が難しいようであれば、逆指値注文を活用してもいいでしょう。
いち早く自分の投資ルールを確立させて、利益確定も損切りも感情に左右されず決断できるようになれば、適切なタイミングを捉える目も養うことが出来るでしょう。
デイトレードに向かない人
デ イトレードに向き不向きはあるのでしょうか?
物理面では、ザラ場中に株価のチェックができない人にはデイトレは難しいでしょう。株価のチェックができなけれ ば、売買の注文も出せません。
買っておいた銘柄が急落した場合に対処ができなければ、デイトレは避けたほうが無難です。
どうしてもデイトレがしたい場合は、売買の方法などを考える必要があります。
また、デイトレ以外でもスイングトレードなどの短期投資スタイルもあるので、取り組んでみるといいでしょう。
メンタル面においてデイトレ−ドに必要なのは、一瞬の集中力と判断力です。
特に、ザラ場中の集中力は必須です。
「株価を見ていなくて、売買のタイミングを失った」
となると、損失も免れません。
買いのタイミングを逃しても物理的な損失はありませんが、売りのタイミングを逃さないように集中して取り組むことが必要です。
また、損失を出した場合に、いつまでも後悔するようではデイトレには向いていません。
日に何度も繰り返し売買を行うのですから、たとえ予想を反して株価が 下がったとしても、損切りを行って次の銘柄で勝負をすればいいのです。
1日のトータルでプラスになるように投資していけば、あなたも勝てるデイトレーダーの仲間入りです。
デイトレードをするのに、特に難しいテクニックは必要ありません。
大きなリターンを追求するのではなく、毎日コツコツと利益を積み重ねることで、デイトレードのコツを掴んでいきましょう。
プロ意識を持とう
デイトレーダーの中には、デイトレを生業としている人や、カリスマデイトレーダーと呼ばれる人が存在します。
成功しているように思われるデイトレーダーであっても、一瞬の気の緩みから大きな損失が発生します。
そのような人たちは、どのような意識を保ちデイトレに取り組んでいるのでしょうか?
世の中には、プロと呼ばれる人が存在します。プロになるには、日々の鍛錬とメンタル面の強化に努めなければなりません。
自己管理をしっかりとして、困難な状況から脱することができる対処法を身につけておくことが大切なのです。
株式投資でも、そのようなプロ意識を持つべきだと考えられます。個人投資家が増加し、オンライントレードで簡単に取引が可能な現在では、どこかゲーム感覚で参加している人も多いのではないでしょうか。
ギャンブル感覚やゲーム感覚を持つ投資家が、大きな損失を出して株は怖いものと偏見を抱くのです。
では、プロ意識を持った投資家とは、具体的にどのような人なのでしょうか?
それは、銘柄を選ぶ時、売買をする時、リスク管理をする時など、全てにおいて自分のスタイルを確立できている投資家です。
「とりあえず、今日はこの銘柄を買ってみよう」
「下がり始めたけど、そのうち上がるかもしれないから保有してお こう」
など、「とりあえず」や「かもしれない」などが口癖になっているようではプロ意識は低いと思われます。
瞬時の判断が必要なデイトレーダーにとって、あいまいなスタイルは非常に危険です。
自分の選んだ銘柄に自信を持ち、もしもの状況に陥ってもリスク管理がしっかりとできるプロの投資家を目指しましょう。
自分のデイトレルールを決める
デイトレーダーというと、常にパソコン画面に向かい、株価ボードに集中し、日に数十回と売買取引を繰り返す人というイメージがあるかもしれません。
確かに、一日に数万、数十万という利益を出そうと考えると、デイトレに専念できる環境に身を置かなければならないでしょう。
ですが何も一日に数十回と取引をし、数十万の利益を獲得する人だけがデイトレーダーではありません。
デ イトレの基本は、あくまでもその日に買った株をその日のうちに売るということなので、毎日一取引でも、売買取引が日課となれば、デイトレーダーと言えるでしょう。
一日一万円の利益でも、月で計算すれば、給与並みの収入が望めるはずです。
一般的な生活水準から言えば、十分な収入なのではないでしょうか?
大きなリターンを望めば、大きなリスクを背負う率も高くなります。
資産が多ければ銘柄を分散させることもできますし、一銘柄に投資する金額も大きければ株価が上がれば多額の利益が望めます。
ただし、資産に余裕がないのに株に全額つぎ込んだり、借金をしてデイトレードを始めると、初心者のうちから負債を抱えることになります。
そのような状況下では、早く資産を増やしたい一心で、多少無理な投資などをしてしまいがちです。
大きな利益を望むあまりに深追いしすぎて、気付いたときには株価も下がり始め、利益も期待はずれという結果に終わるかもしれません。
まずは、コツコツと利益確定を積み重ね、デイトレードのコツを掴んでいきましょう。
例えば、50万円の資産で株価100円の株を5000株購入したとします。
100円の株が10円20円と上がるのであれば5万10万と利益も大きいでしょうが、世の中そんなに甘くはありません。
1円、2円の値上がりでも利益確定さえすれば、5000円、1万円の利益を確実に得ることができるのです。
これを毎日コツコツを積み重ねていくことが大事なのです。そうすれば資産も順調に増えていくことでしょう。
銘柄選びのコツ
デイトレードをする上で、銘柄選びは非常に重要なポイントです。
デイトレーダーが好む銘柄は、値動きが大きく出来高のある銘柄です。特に値動きの激しい銘柄は、デイトレード向きと言えるでしょう。
値動きが激しくなるということは、売買の注文が急激に増えるということです。これは、何らかの材料が告示された場合に起こりますが、時事問題などにも左右されます。
告示は市場が終了したあと発表になることが多いので、東証開示サービスの閲覧や経済ニュースなどで、良い材料がないか毎日探す習慣を身につけましょう。
投資家の中には、このような材料が発表されるだろうと早くから情報を得て、密かに買い集めている場合もあります。
出来高増加率ランキングなどで、出来高が増え始めている銘柄は日頃からチェックしておくといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
本記事は、儲かるデイトレーダーになるための心構えについてまとめました。
残念ながら具体的な方法について解説しているわけではありません。
何度も言いますが、勝てるトレーダーとは小手先の技術などではなく、取引ルールが確立できている人のことです。
何事も取り組み姿勢が大切です。
まずは、感情に左右されず冷静に判断できるよう、自分の取引ルールを作ることから始めてみましょう。